遠くの場所には



10月某日、私は香港に行ってきた。ソウルに引き続き、今年2箇所目の海外だ。私の父の出張に付いていくという形だったので、2泊3日の昼間のうちのほとんどを、一人行動した。
そしてこれがまた楽しい。不安だったのは最初だけで、もうひとり最高、気楽最高!という気分である。行きたいところに全部行けて、写真も撮ってもらって、大満足だった。中でもビクトリアハーバーで毎日行われる光と音のショー、Symphony of lights は圧巻。機会があればぜひ、人生で一度は見て欲しい。人間に生まれてよかった、という気持ちになります。笑

さて、香港の街を歩いてみてよく感じたのが、たくさんの国の文化が香港のものとして根付いているな、ということだった。
イギリスの統治下にあった時代が150年以上らしく、イギリス人らしき人も多いし、話す英語もイギリス英語のアクセント。食においても洋食のレストランが沢山あって、ヨーロッパ気分の街並みも。また、それ以上にびっくりしたのが日本文化の根付き方だ。一番最初に降りた地下鉄の駅で、実写版「ミステリと言うなかれ」のポスターを発見。菅田将暉を見て、ここは日本か?!と困惑した。マツキヨ、ドンキ、スシロー……街中に日本語が多すぎて、ちょっと現実に引き戻される気分にもなる。
それらが全て、街中や人々の生活に溶け込んでいるようだった。 あくまで異国発祥というだけで、それらは香港のものとして堂々としていた。東京の銀座のような高級感溢れる街並み、アジアを彷彿させる活気あるゴミゴミとした露店街。アジア諸国のいいとこ取りという表現が合うだろう。小さな面積でもたくさんの顔を持っている国だったと思う。

前回の韓国旅行でのあたふたぶりが嘘のように、ほぼほぼ順調に進んだ旅だった。我ながら自画自賛だ。次はどこの国に行こうかな、と考え中。お金が無い学生のうちはアジアを攻めていきたい、などなど。




遠くの場所には、行ける時に行かなければいけない。
大学生になってから想像以上に増えた時間とお金をどう使おうか、どうやって消費しようかという難問を考えるとき、いつもたどり着く結論だ。この問題は人それぞれで、何か一つのことを頑張る人も、色んなことをやってみる人もいる。何かをひとつのものにお金をつぎ込む人も、そうでない人もいる。どんな物事に何を使うかは個人の自由。
その上で私は、世界を広げるために使いたいと思っている。

例えば3年と少し経った後、日本の会社に新卒正社員で働き始めるとして、どのくらい生活が変わるんだろうな、とか。どのくらいお休みがもらえるんだろうな、とか。これだけ時間を自由に使える日々って、大学生を終えたら定年後までないんじゃない?とか。考えるに、今ってすごく貴重な日々だから、だったら世界に出て行ってみたい。ものは劣化するが経験は劣化しない。短期の旅行であっても、他の国の人と話してみること、自分で計画と準備をすること。地元じゃない日本、日本じゃない国。「違う世界」を見ること。
大学生のうちに、自分の価値観や考え方が柔らかいうちに、できるだけ多くの「違う世界」を見ておきたいと思っている。
だからこれは半分趣味で、半分は自己投資だ。

少しの勇気を出して、遠くの場所へ行ってみる。
「人生は短く、世界は広い」を合言葉に。

ビクトリアハーバー

路地裏の市場