着物を着たい!!

着物を着たい。

着ればいいだろ!というツッコミが来るかも。

卒業旅行で京都に行って、清水寺近辺で着物をレンタルした。
日本人本来の衣服である、着物。現代に生きる私は、ハレの日でもなければ触れる機会がない。しかしながら、着物レンタルは観光地を中心にめちゃくちゃ流行っている。
私もその流行りに乗ってみたのだが…これが凄い。
着物を着ている、ただその一点だけで全部変わる気がした。

例えば、歩幅。
着物を着ていると、自ずと小さな歩幅で、ゆっくり歩く自分がいる。これは着崩れ防止でもある。そうやって、いつもよりスローペースで歩いてみると、いかに普段の自分が急いで移動しているかよく分かる。
早歩きをしているとき見落としているものって、実は山ほどあるのだ。ゆっくりと、ゆったりと、落ち着いて。そうやって街を歩くとき、世界はガラリと変わって見える。
店の棚の隅に置いてある、可愛い小物。建物が色あせて情緒を醸し出しているところ。通り過ぎる人々の会話や表情。いつもは見つけられない、小さなものを見つけられる。それらは心がほんのり暖かくなるような、幸せな発見だ。
着物を着ていた時間中、目につくものどれも和やかで、日本らしく感じられた。(そして心なしか、いつもより自分が綺麗に見えたのは、非日常だからかな?笑)

日本では明治時代から洋服を着るようになったけれど、近代化したことで失ってきたものが確かにあるんだろう。それを正確に言い表すことは、残念ながら今の私にはできないけれど。
それでもひとたび身なりを一昔前に戻してみると、生きるリズムが変わるんだから、見えなくなっているだけで、完全に消えてしまったわけではないと思いたい。

着物を着たい。自分の着物もほしい。
夏になったら、浴衣を着て夏祭りにも出向こう。
コロナ禍も完全に明けたわけではないけれど…夏が来るのが楽しみ。