秋めく夜のこと

 

私たちはどうやっても、他人からの愛情が欲しい生き物だ。それは友達であれ恋人であれ。つまるところその人と血が繋がっていないことが重要なわけだ。

 


とても親しい友達に初めての恋人ができた。おめでたいと思うと同時に(白状するが)、無性に寂しくなってしまった。
そして寂しいな〜だけで終わればいいものを。その時夜で少し肌寒かったのも相まって、センチメタルと人肌恋しさを二重に抱えた私は、あろうことか数人の異性に連絡を入れたり、返したりしてしまった。ちょっと仲良かった人、DMで話していた人、ご飯に行った人…。特別な好意を持っているわけではない人たち。
数十分後、これはまずいと気づいて全て送信取り消しした。
かなり落ち込んだ。

大学生の恋愛は良くも悪くも短絡的で薄っぺらい。大半の人たちの恋愛はSNSに始まるし、SNSを使って簡単に終わる。恋愛しやすいといえばそうかもしれないけれど、あまりにも中身が伴っていないケースが多くてげんなりしてしまう。
どこにいても他人と簡単に繋がれる時代。しかしほんの少し前までは、物理的な繋がりは倦厭されていたのも記憶に新しい。そんな数年を終えて、大学という開かれた場所の中で、どうやって心と心を繋げというんだろう…と疑問に思っている。
高校生時代のような恋愛は、多分この先経験することはないんだろう。これは一種の成長なのかもしれないけど物悲しくなる。

でもだからといって寂しさを理由に好意がない他人にそれを求めても、その先に道はない。愛情は与えるもの、搾取するものではない。常に能動が先立って、その後に受動すべきもの。全ての人間関係に同様のことがいえる。

結論、私はまだまだ弱っちい。友人の変容に私生活を感化されるぐらいには。しょうがないじゃないかまだ大学生なんだから、と思いながら珍しく夜更かしした日だった。

朝起きてもう一度考えたとき、私はちょっと理性的すぎて面白みがない人間かも…と思った。どこの誰が夜な夜な恋愛と愛情についてもんもんと考えて落ち込むんだろう。そんなことを友達に話したら、「私もそういう時あるよ」と言ってくれたので、とても暖かい気持ちになって「あなたに出会えてよかった」と返した。寝不足の頭はよく回らない。

うん、実直に生きているということだ。そんな自分は嫌いじゃない。



さて、新学期を迎えて数週間が経った。前学期は必修授業の関係もあって週4で1限からという限界的な時間割だったのだけれど、今学期は週4で4限までという、これまた悲惨な時間割を組んでしまった。しかもそのうち3日は1限からという……。1年次での頑張りが未来の私を救うはずだと、眠気に耐えているこの頃だ。夜更かししてる場合ではない。

あっという間に神無月を迎え、急に気温が下がって秋になった。きっと瞬く間に年末がやってくる。私は暑さよりも寒さに弱いので、来る冬の大半はお布団と時間を共にするのがデフォルトだ。今のうちに沢山活動しておかないと、と思っている。

それにしても、この記事を書く中で過去の恋愛を色々と思い出してエモーショナルな気持ちになってしまったので、やっぱり秋は伊達にならない。